2023年01月07日

パーソンカメレオン飼育方法


さて
 

言わずと知れたカメレオン最大種 

キングオブカメレオンなどと呼ばれたりもする大きく美しいみんなの憧れのカメレオン。

今回はそんなパーソンカメレオンの自分なりに飼育してきた経験から飼育方法を書こうと思います。

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オレンジアイ



温度

低温種の部類に入るパーソンカメレオン。
パンサーカメレオンと比べると暑さは苦手です。
しかし常に低温なのはパーソンカメレオンも好みません。
朝日が昇ったら体温を上げ、活動に必要な体温になったら動き回って餌を探す。
一般的なカメレオンと変わりません。


当店での飼育温度は

日中        24℃〜26℃

バスキングスポット 27℃〜28℃

夜間        18℃〜23℃


バスキングライトは週に3日ほど3、4時間ほど付けています。


パーソンカメレオンの飼育において一番重要だと思うのは「夜間の温度」


この夜間の温度が高すぎる場合、低温種によく起こる口の炎症を引き起こします。

最初は赤くなる程度ですが、それが今度は緑色の膿をだし、悪化すると徐々に歯の土台の骨を溶かし最悪歯が取れてしまいます。

もう一つは口角の部分も炎症を起こしやすくここから菌が瞼や頬に飛び、炎症、膿が出ます。

これはかなり厄介で、口角から膿が出ている段階で発見できれば抗生物質の投与で抑えられる事が多いですが、瞼や頬が腫れてしまってからでは治すのに時間がかかるか最悪手遅れになってしまいます。


なぜこのような症状を起こすかというと、高い温度だと免疫力が低下し、雑菌に対する抵抗力が下がるためだと思われます。

なので温度を下げる事プラス口の中の雑菌を増やさないような環境を作ってあげる事が大切です。


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イエローリップ



クーリング

パーソンカメレオンは冬に気温が下がりクーリングのスイッチが入ると動きが鈍くなり餌をあまり取らなくなります。

当店では常時ベビーがいるため、そこまで温度を下げない事もありアダルトの個体達もクーリングせずに冬を越す個体が多いのですが、もしクーリングのスイッチが入り餌食いやあまり動き回らなくなったとしても下手に温度を上げたりせずに季節の流れに任せて、外気温の上昇と共にまた活性が上がってくるのを待ちます。

生息地の乾季の気温を調べると6月〜9月の最高気温で23℃〜25℃最低気温で15℃程度までは下がるようなのでそれくらいまでは下がっても問題はないのかと思います。

最低気温はおそらく夜間の温度だと思うので日中は23℃〜25℃程度までは温度をあげると良いかと思います。
 


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イエロージャイアント




湿度

オレンジアイ、イエローリップ、イエロージャイアントは木々の生い茂るジャングルに生息しており、沿岸部周辺に住んでいるパンサーカメレオンと比べるとやはり高めの湿度を好みます。

そしてアンダシベ・マンタディア国立公園内ペリネ特別保護区に生息するクリストファーパーソンカメレオンは生い茂る木々に苔が生えるような基亜種のパーソン達よりさらに奥深いジャングルに生息し、やはり基亜種のパーソン達に比べるともう少し高めの湿度を好むように感じます。


以前パンサーカメレオンの飼育方法でお伝えしたように、湿度を上げる際霧吹きやミストシステムなどでケージ内や枝などを湿らせて湿度を保とうとすると常に濡れている環境になってしまうためこれは皮膚病などの原因になるため避けなくてはいけません。


ガラス温室などがあればそこまで意識せずとも湿度を維持できるのですが、最近入手できるケージだとクリアウィンドウケージの横置きタイプの物か、ミタニのネットケージのLがおすすめです。

メッシュはある程度の湿度は保ってくれますがやはり湿度が逃げていってしまうため、床材にペットシーツを敷き、それを湿らせて全体の湿度を保ってあげるか、それでも色が白っぽくボケていたり、肌がかさかさしていたりするようだと湿度が足りていないためFOGなどでケージに送り込むか、部屋自体の湿度を加湿器で保つ必要があります。




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クリストファーパーソン メタリックグリーンタイプ
 


 


ここからは現在販売中の

パーソンカメレオン達のご紹介でも😁

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まだまだヤングなこれからかなりブルーが濃くなって行きそうなイエローリップ(実物の方が青いです)

入荷時少し痩せていましたが初期ケアも済ませて餌もよく食べだいぶ肉付きが良くなってきました❗️





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クリストファーパーソンもだいぶ数が減って来ました。

ブルータイプは2匹のみ。
現在パーソンカメレオンの亜種に分類されていますが、
細分化され別種になると入荷が全くなくなる可能性大なのでいるうちにぜひ😜




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そしてそして

長らく飼育していたオレンジアイは

新しい飼い主さんの所へ旅立って行きました😭
飼い主様、たまに画像を送っていただけると非常に喜びます🙌🏻 





manahealtheworld at 21:36|PermalinkComments(0)パーソンカメレオン 

2022年11月06日

パンサーカメレオン飼育方法

こんにちは。

今回は今まであまり書いてこなかったカメレオンの飼育方法について
自分なりに今まで飼育してきて感じたこと、
先人の方達が試行錯誤して見つけ出してくれた飼育方法など
これはやった方がいい、これはやらない方がいいと思うことを
お伝えできればいいなと思います。

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スタンダードタイプ ブルーバー アンビローブ




さて
インターネットや書籍などで散々紹介されているパンサーカメレオンの飼育方法。
しかし残念ながらカメレオン=難しいというイメージが未だに根強く残っています。


カメレオンはレオパやフトアゴのような爬虫類と違い
通気の部分を気にする必要があるためそこが難しいと感じる大きな要因かと思います。

今回はその通気の部分について
みなさんにイメージを掴んで頂けたらと思います。



それでは基本的な飼育方法と自分なりに感じる部分について書いていきます。


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まず説明の基準には当店で使用しているパンサーカメレオンの飼育機材をベースにします。

クリアウィンドウケージ(42×42×66)
マイクロサン 53w
コンパクトトップ
スパイラル UVB フォレスト26w 
マグネットファン 




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ノシファリー





温度

パンサーカメレオンは適応できる温度帯の幅が広いため
飼育がしやすいカメレオンだと言われています。

パンサーカメレオンは最高で35℃最低で9℃まで耐えられると言われています。
しかしこの上限と下限の温度は耐えられるというだけであり
ずっとその温度帯で飼育できるという訳ではありません。
またこの耐えれる温度にも条件があり
暑さは短時間かつ通気がしっかり確保されている状態
寒さは日本の四季の変化を感じさせつつ、
秋から冬にかけて徐々に寒さに慣らしていった
場合のみ耐えることができます。
 

適応できる幅は広いですがあまりにも急激な温度変化や
暑すぎたり寒すぎる温度で飼育すると呼吸器感染症になったり
色が抜けて本来の綺麗な色彩を見せてくれません。

この暑すぎ、寒すぎを意識しすぎて無難な温度(26度〜24度バスキングなし)で
飼育したりすると確かに病気になる事も少なく
オーバーヒートで突然落ちてしまうことも無くなり
寿命も細く長く生きている状態なので長生きはしますが(といっても4年〜5年ほど)
高い温度、寒い温度で飼育した時のように色が抜け
動きも鈍く、メスを見ても発情しない
ただ生かされているような状態になります。
これではせっかく美しい体色のカメレオンを
飼育している楽しみを感じることはできません。


自分のオススメする飼育温度は
日中ホットスポットで29℃〜32℃
それ以外で25℃〜28℃
夜間20℃〜24℃です。

このように昼夜でメリハリをつけ、
バスキングライトで体温を上げる時間帯を作ることで
体色も本来の美しい色を出してくれます。
(バスキングライトも毎日つける訳ではなく週に3,4日5時間程度で十分です)
当店の場合、月水金、10時〜15時で消灯


バスキングライトを使用する際の注意点ですが
飼育するケージが鳥籠のような
空気の流れを遮るようなものがほとんどないようなケージを
使用している場合は大丈夫ですが
意外と空気がこもりやすいのが、メッシュケージで
バスキングライトとカバータイプ(コンパクトトップなど)の
ソケットで紫外線ライトを使用している場合
かなり熱がこもっています。


自分はコンパクトトップ+バスキングライトを使用しているため
このようなファン↓↓↓(Amazonや楽天でマグネットファンで検索すると出てきます)
をケージの上部に設置してケージの中の滞留している暖まった空気を抜くように使用しています。

これは2つのケージに対して1台使用していますが、
ケージ1つに対してこのファンでは大きすぎるため
アクア用の小型のファン(GEXのアクアクールファン レギュラーがおすすめ)などで代用可能です。
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またバスキングスポットには枝をライトが当たるように
レイアウトしてやり、しっかり暖まれる場所を作ります。

バスキングライトを設置する際はライトを
真下に向けるのではなく斜め横から当てるようにすると
メッシュに張り付いたりして暖まりに行った時にオーバーヒートを起こしたり
目を痛めるのを防ぐことができます。

またバスキングスポットの温度はライトを離したり、近づけたり、
それでも温度が高ければW数の低いものに、温度が低ければ高いものにして適正な温度に調節します。




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ノシミチオ





湿度

パンサーカメレオンを飼育する上で適した湿度は50%〜80%。このくらいの湿度をできる限り維持できるようにしましょう。

湿度が足りないと、慢性的な脱水になったり、呼吸器感染症の原因、体色がくすんだ色になったりしてしまいます。

しかし常に高湿度というのも皮膚病の原因になったりするため湿度が高い時間帯と低い時間帯のメリハリが大切です。

マダガスカルでは朝と夜に霧などで湿度が上がり、日中スコールが降ったりなどして湿度の高い時間帯ができます。

そしてパンサーカメレオンの生息する場所は海に近い沿岸部のため、風がよく吹き葉や枝などについた水滴は、2、3時間もすれば乾いてしまいます。

これを再現するため飼育下では朝晩の霧吹きで生息地の環境を再現します。

霧吹きだけでは部屋の湿度が上がらないという場合は加湿器を使用するか、スポットで加湿することが可能なゼンスイのFOGなどがオススメです。


・霧吹き

朝と晩に1日2回霧吹きをします。

カメレオンは樹上生活に特化した生き物のため、動きのある水しか認識しません。

枝を流れる水であったり、葉にきらめく水滴などを舐めて水分を摂取しています。

霧吹きは生息地で1日に何度も降るスコールの役割もあり、

カメレオンはスコールの雨水を利用し、水を飲みながら口の中を洗ったり、目を洗ったりもしています。

霧吹きをするときは、顔にもたくさん水をかけてあげましょう。
これにより目に入ったゴミや汚れなどを洗い流す事ができます。
観察しているとカメレオン自身も目を膨らませて目を洗っているのを確認できます。

また霧吹きの水滴を飲んでいる時に洗浄瓶などで
口の横から水を垂らしてやり給水してあげましょう。
ミストシステムなど便利な用品がありますが、
ミストシステムに全てを頼ってしまうと、気づいたら脱水になっていたり
目を十分に洗えるほどのミストが出ておらず目を閉じてしまったりするため
ミストシステムなどは補助的なものと考えてなるべく人の目で確認してあげる事が大切です。
(ミストシステムだけでの管理が不可能というわけではありませんが、
 長い時間のミストと、排水設備を作る必要があります)



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アンビローブ
 レッド&ブルー





・枝の組み方、適切な太さ

カメレオンの飼育に使用する枝は、山などに生えている蔦や枝を切ってくるか、公園などの定期的な選定の時に許可を取り譲ってもらうか、ネット、ショップ、イベントなどで人口のものを購入し使用します。

カメレオンは基本的に横方向に移動する生き物のため、横に移動できるように意識して枝を組むようにするといいです。

もちろん縦方向にも移動するので、縦、斜めにも移動出来るようにしましょう。

尻尾をよく使うように意識して枝を組むと尻尾が伸びてかっこいいフォルムに育ちます。

カメレオンの適切な枝の太さは、カメレオンが枝を掴んだ時に、手が枝の裏に回り切らず多少間が空くくらいの太さが適しています。
 


まだエアコンでの管理など書けてない事がありますが今日はとりあえずここまで😅



 



manahealtheworld at 21:43|PermalinkComments(0)

2022年04月24日

ノシファリーとアンビローブ

こんにちは。

最近ブリーディングルームの見学に来ていただくお客様が多く
パンサーのヤング、ベビーをお迎えいただきありがとうございます🙇‍♂️
 


今日は自分が好きで長くブリードをしている
ノシファリーとアンビローブの販売個体と親個体の紹介を


まず販売中の個体
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全体的にバランスの取れた配色の個体
ベースのホワイト
バンドのブルー
全身に入る赤いドット
海外で呼ばれている
Oorana mena(赤い雨)という呼び名通りのカラーです。



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こちらはもう少しドットが少なめで
ベースのホワイトがはっきりしているタイプ
最近はこのタイプが人気


この個体達の親個体は

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オス親
ノシファリーは
バンドの太さ、ドットの量や形、ベースの色でタイプが分かれるのですが
自分はベースはホワイトがはっきりした個体でドットは多過ぎず少なすぎず、バンドは太めの
いわゆる昔よくワイルドで入ってきた綺麗なスタンダードな個体を親でチョイスするので
このワイルドの親もそんな個体。

ドットに関しては年を取るごとに増えていく個体と減っていく個体がいるので
飼ってみないとどう変化するのかわからないのもノシファリーの面白さかと思います。





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こちらがメス親の兄弟
この個体は自分の中では限りなく理想のノシファリー
ノシファリーはワイルドはワイルドの良さがありますが
自分はCBのカラーの方がベースのホワイトがはっきりしていて好みです。




次はアンビローブ
まだベビーなので将来どんなカラーになるか
まだはっきりとはわかりませんが

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アンビローブは自分が初めて飼育したカメレオンで
初めて繁殖も経験させてもらった思い入れの強いローカリティ
師匠が何世代も累代したとても美しい血統を増やしていたのですが
残念ながら途中で途絶えさせてしまい長らく納得のいく個体に巡り合えず
ブリードはしていなかったのですが、昨年ワイルドで入荷した個体の中で、
バンドはレッドバーでしたがベースのグリーンが
とてもいい色をしていた個体を連れてきたら

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こんな綺麗なブルーバーのアンビローブに😍
この個体、師匠がブリードしていた初代アンビローブに似ており
このタイプの個体を固定化するとオスが綺麗なのはもちろんですが
メスが非常にいい役割をしてくれて、他のタイプのオスと掛けた時に
そのオスのいい部分を引き出し、メスの血統の持っている色をゴリ押しせず
いい塩梅にプラスしてくれるまさにアンビローブを累代するにあたり
ベースにピッタリのタイプ


この個体がベビーのオス親です。



そしてメス親は
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はい
こんなお顔の白い
滅多に流通しないホワイトヘッドなタイプの個体。
(画像は参考画像です)

こんな個体達を親に持つベビー達将来どんなカラーに育つのか非常に楽しみです😏


ベビーの飼育が心配という方は気軽にお問い合わせください。
カメレオンの飼育の難しさは飼育者さんの
お家の環境それぞれに合わせた飼い方が必要であるということだと思います。
お問い合わせを頂ければお客様のお家の環境に合わせた
飼育機材や管理方法をお伝えできますのでぜひお問い合わせください。


そして
オランダCBのセレクトしてきた個体で
非常に美しく理想系のアンビローブなのですが
自分でこのような個体が出る血統を作りたいという思いがありますので
手元に残そうか非常に悩ましかったのですが販売します笑
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ブルーバーがとにかく青い(笑)
そしてレッド&ブルーになるのほぼ確定です。

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寝起きを携帯で撮ったので画質が悪いですが
寝てる時は体の半分以上もう赤いです。


カラーバリエーション豊富なパンサーカメレオン
ちゃんとした親をチョイスし累代していくと
結果として現れてくれて長く楽しませてくれるそんなカメレオンです。
ぜひ皆さんもパンサーカメレオンの累代繁殖チャレンジしてみてください😊












manahealtheworld at 23:55|PermalinkComments(0)